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前立腺炎症候群[私の治療]

No.5279 (2025年06月28日発行) P.51

市原浩司 (札幌中央病院泌尿器科診療部長)

登録日: 2025-06-30

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  • 男性において最も罹患頻度が高い炎症性疾患。下腹部・会陰部の不快感,排尿時痛・灼熱感などを認めた場合,前立腺炎症状と考える。38℃以上の発熱や全身倦怠感を認める場合は急性炎症と判断される。症状を繰り返す,もしくは6カ月のうち3カ月以上症状が持続する場合は慢性炎症と判断される。

    ▶診断のポイント

    前立腺炎は,炎症が急性か慢性か,検体中の細菌・白血球の有無によってⅠ~Ⅳのカテゴリーに分類される。カテゴリーⅠ(急性細菌性前立腺炎)およびⅡ(慢性細菌性前立腺炎)は,中間尿検体に細菌・白血球を認める。カテゴリーⅢ〔慢性非細菌性前立腺炎(CP)/慢性骨盤痛症候群(CPPS)〕は,精漿(S)・前立腺圧出液(EPS)・前立腺マッサージ後の初尿(VB3)を検体とする多要因性の症状・症候群である。カテゴリーⅣ(無症候性炎症性前立腺炎)はS・EPS・VB3のほか前立腺組織内に細菌・白血球を認めるが,無症状であり治療の適応はない。

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