腎臓における異種移植の現状と展望についてご教示下さい。
大阪公立大学・内田潤次先生にご解説をお願いします。
【質問者】
三井貴彦 山梨大学医学部泌尿器科教授
【近未来に,ブタからの異種腎移植が末期腎不全の標準治療となる可能性がある】
(1)ブタをドナーとする異種移植について
移植医療技術および免疫抑制療法の進歩により,臓器移植成績は向上しました。しかし,提供臓器不足は世界共通の深刻な問題となっています。そこで,ドナー不足問題を解決する手段のひとつとして,異種移植(xenotransplantation)が注目されています。ドナー動物としてのブタは,サイズ,解剖学的・生理学的構造がヒトと類似しています。また,多産系で繁殖力が強いこと,食用として用いられてきたことから,倫理的にも問題が少ないと考えられます。
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