□2005年の全国調査によると尿路結石のうち,下部尿路結石(膀胱結石と尿道結石)は尿路結石全体の約4%を占めるにすぎず,96%は上部尿路結石(腎結石と尿管結石)である。
□下部尿路結石の結石成分は,同調査によると男性はカルシウム(Ca)結石が72%と多くを占め,感染結石はわずか10%,女性はCa結石が43.8%で感染結石が49.2%と拮抗している1)。
□結石の存在自体および合併する尿路感染症により頻尿,残尿感,排尿時痛,血尿などの膀胱炎様症状が挙げられる。時に無症状で経過する患者にも遭遇する。結石が膀胱頸部に移動すると排尿困難を訴える。これは後出の尿道結石にも通ずる。
□膀胱に結石ができるのは,寝たきり,神経因性膀胱,前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH),尿道狭窄などで留置カテーテルを留置されている患者において,尿路感染症を契機としてカテーテルに付着した結石がカテーテル交換時に膀胱内に脱落し,これが徐々に大きさを増してくる場合である。さらには,腎で形成された結石が尿管から膀胱内まで下降したものの,BPHや尿道狭窄が存在して排石が困難となり,膀胱内でさらに大きくなって有症状となり発見される場合もある。
□多くは尿沈査で尿路感染症を思わせる赤血球と白血球の存在が確認されるが,時にまったく異常を認めないこともある。
□膀胱結石はCa結石の場合,通常のKUB(腎・尿管・膀胱範囲が入った腹部単純写真)で確認できるが(図1),X線陰性の尿酸結石では超音波検査もしくは骨盤部CTで診断される。内視鏡で確定診断となる。
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