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嚢胞性腎疾患

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
奴田原紀久雄 (杏林大学医学部泌尿器科学教室教授)
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  • ■疾患メモ

    嚢胞性腎疾患は多岐にわたる。ここでは一般医家が遭遇することの多い単純性腎嚢胞,髄質海綿腎,後天性嚢胞性腎疾患について述べる。

    Ⅰ.単純性腎嚢胞

    ■疾患メモ

    腎に生じる嚢胞としては最も多くみられる。CTでは60歳代で約25%,70歳代で約40%に発見される。年間の嚢胞径の増大率は4~5%と言われ,その数も増大する。そのため両側性に多発してみられることもある。

    一般には,悪性腫瘍の合併が否定されれば経過観察となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    一般には,無症状であるが,腫大した嚢胞により腰痛や側腹部痛がみられることがある。この場合には他疾患による腰痛を否定する必要がある。

    嚢胞内感染があれば疼痛や発熱がみられるが,稀である。

    【検査所見】

    超音波:円形ないし卵円形の内部無エコーで,周囲との境界が明瞭,かつ後方エコーの増強がみられる腫瘤が認められる。

    CT:嚢胞内は水と同じdensityで,造影剤で増強効果を認めない腫瘤を認める。この腫瘤の嚢胞壁は薄く平滑である。

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