2002年日本大学医学部医学科卒業。2009年日本大学大学院医学研究科博士課程外科系泌尿器科学修了。米国ピッツバーグ大学医学部泌尿器科リサーチフェロー,駿河台日本大学病院泌尿器科助教,日本大学医学部附属板橋病院泌尿器科助教(医局長)を経て,2020年から日本大学医学部附属板橋病院泌尿器科准教授。(吉澤,写真も)
下部尿路症状は,蓄尿症状(昼間頻尿,夜間頻尿,尿意切迫感,切迫性尿失禁,腹圧性尿失禁など),排尿症状(遷延性排尿,尿勢低下など),および排尿後症状(排尿後尿滴下など)の3つで構成される。尿意切迫感を主要症状とする過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は多くの人を悩ませる代表的な下部尿路症状であり,生活の質(quality of life:QOL)の低下に強く関与する。
日本排尿機能学会では,2023年に下部尿路症状に関する疫学調査を約20年ぶりに行った。OABの有病率は,20歳以上で11.9%(男性13.9%,女性9.8%),40歳以上で13.8%(男性16.6%,女性11.0%)であり,年齢とともに上昇した(図1)1)。また,最もQOLに影響を与える下部尿路症状は男女ともに夜間頻尿,昼間頻尿,尿意切迫感の順であった(図2)1)。