□持続勃起症(priapism)は,性的刺激,興奮の有無にかかわらず4時間以上勃起状態が持続する状態と定義される,稀な疾患である。
□虚血性持続勃起症,非虚血性持続勃起症,stuttering priapismの3つに大別され,分類に応じたマネジメントが必要となる。そのため鑑別診断が非常に重要となる。
□陰茎海綿体の血流が完全に遮断された結果,海綿体コンパートメント圧が上昇している状態である。
□α遮断薬,抗うつ薬,向精神病薬,プロスタグランジンE5阻害薬などの薬剤や,悪性腫瘍の海綿体転移が原因となる。
□典型的には完全勃起状態で,勃起から6~8時間より起こる疼痛に特徴づけられる。
□陰茎海綿体の動脈血流の調節不全により生じる。
□先行する会陰部の外傷があることが多い。
□典型的には不完全勃起状態で,疼痛は少ない。
□会陰部の陰茎海綿体脚部を圧迫することで勃起が解消する(compression sign)。
□間欠性の有痛性再発性持続勃起症である。
□鎌状赤血球貧血症に随伴することが多い。
□典型的には,数時間持続する持続勃起で睡眠から覚醒する。
□徐々に虚血性持続勃起症に移行していくとされ,管理は虚血性持続勃起症に準ずる。
□逆説的だが,虚血性持続勃起症の後遺症として生じることもある。
□病歴聴取,陰茎部の身体診察が最重要である。
□陰茎エコー(カラードプラ),陰茎海綿体内血液ガス分析が鑑別診断に有用である。
□CTアンギオグラフィも鑑別に有用なことがある。
□カラードプラ:乱流なし。
□陰茎海綿体内血液ガス分析:静脈血パターン(低酸素分圧,高二酸化炭素分圧),代謝性アシドーシス。
□カラードプラ:乱流あり。
□陰茎海綿体内血液ガス分析:動脈血パターン(高酸素分圧,低二酸化炭素分圧)。
□造影CTアンギオグラフィ:海綿体動脈(内腸骨動脈分枝)の破綻。
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