□眼瞼縁に生じる炎症性変化を眼瞼炎(blepharitis),あるいは眼瞼縁炎と総称する。睫毛根部,ツァイス(Zeis)腺,モル(Moll)腺を主座とするものを前部眼瞼炎,瞼板腺(マイボーム腺)を主座とするものを後部眼瞼炎に分類することもある。
□常在細菌叢が関与する慢性疾患であり,細菌感染そのものに二次的な免疫応答異常,炎症反応,脂質異常が関与する。表皮ブドウ球菌が多いが,黄色ブドウ球菌やPropionibacterium acnesが関与することもある。
□眼瞼皮膚の炎症性変化は眼瞼皮膚炎と呼ぶことが多い。点眼薬やコンタクトレンズ用品,化粧品などによる接触性皮膚炎の頻度が高い。
□代表的症状は,異物感,眼脂,眼不快感,眼瞼の発赤などである。灼熱感が特徴的とされるが,実際には症状は多彩で,程度も様々である。
□眼瞼縁の血管拡張や不整,発赤がみられる。眼瞼縁または睫毛根部に付着したフィブリン様滲出物は特徴的な所見である(図)。前部眼瞼炎では睫毛根布の潰瘍形成や睫毛の脱落が観察されることがある。
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