□結膜下出血は眼科外来で高頻度にみられる疾患で,結膜下の小血管が破れて出血し,斑状あるいはしみ状に貯留した状態を指す(図)。
□眼外傷や手術,感染性結膜炎などの眼局所の異常,出血性素因(血小板減少性紫斑病,白血病,抗凝固療法など),代謝性疾患(糖尿病など)等の全身の異常,バルサルバ効果(いきみや嘔吐による静脈圧の上昇)などに伴うこともあるが,原因不明な例(特発性)が実際には全体の50%近くを占める1)。後者の発症メカニズムについては不明な点も多いが,結膜弛緩やドライアイとの係わりが注目されている2)3)。
□50~70歳が好発年齢である2)。
□結膜のどの部位にも生じ,点状,しみ状の出血から広範な出血まで様々な形態をとる。時に血腫をつくることもある。
□特発性出血の多くは鏡を眺めたり,周りに指摘されたりして気づくことがほとんどであるが,発症時に一瞬の眼痛を訴える症例もある。視力低下や視野狭窄などの視機能異常は起こさない。
□診断は比較的容易であるが,出血か,充血かをみきわめることが肝要となる。出血の場合には,血管の走行は見えないが,充血の場合には,多数の血管が拡張している様子が観察できる。
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