□外耳道炎は,外耳道軟骨部,骨部の炎症である。軟骨部に生じる耳せつ(急性限局性外耳道炎)と骨部の炎症であるびまん性外耳道炎がある。耳かきなどの機械的刺激,中耳炎の耳漏などが誘因となる。
□主な症状は耳痛,そう痒感で,耳介を牽引すると痛みが増強する。耳介の牽引痛は急性中耳炎との鑑別点である。
□耳せつでは激しい耳痛を訴える。
□外耳道は発赤,腫脹,耳漏を認めることもある。
□耳漏のある場合は菌検査を行う。
□耳せつ:耳垢腺,皮脂腺の黄色ブドウ球菌感染である。耳かきなどの機械的刺激が誘因となる。
□びまん性外耳道炎:耳かき,補聴器装用,水泳,慢性中耳炎の耳漏などが原因である。黄色ブドウ球菌,緑膿菌が検出される。
□表在性真菌症として外耳道真菌症が骨部外耳道に認められることがある。慢性中耳炎の耳漏,補聴器の装用,耳かき,抗菌薬,副腎皮質ステロイドの長期連用などが原因となる。アスペルギルス,カンジダが多く検出される。
□鑑別疾患に耳帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)がある。水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化が原因で,顔面神経知覚枝の範囲に疱疹ができる。同時に耳介周囲,外耳道に疱疹を認める。激しい耳痛があり,顔面神経麻痺,内耳障害を合併する。
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