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外傷性鼓膜穿孔

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
高田雄介 (東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科)
須納瀬 弘 (東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科教授)
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  • ■疾患メモ

    外傷により鼓膜に穿孔をきたす疾患のことである。

    耳かき等による直接的受傷が多いが,そのほか間接的受傷として,殴打,ボール,飛行機搭乗による圧受傷,また耳管通気,異物や耳垢除去に伴う医原性損傷など原因は様々である。

    外傷性鼓膜穿孔のみにとらわれず,耳小骨連鎖障害や側頭骨骨折など,より中枢側への外傷の有無にも配慮する。

    特にアブミ骨に大きな外力が加わった場合,アブミ骨の脱臼や前庭窓の破綻により内耳に瘻孔を生じ,外リンパ瘻を起こすことがある。

    第三者行為(対人トラブル)などが原因の場合もあり,慎重な対応が望まれる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    難聴,耳出血,耳痛が一般的である。穿孔の状態により,難聴の程度は様々である。

    耳鳴やめまいを伴う場合,内耳の障害が示唆される。

    【検査所見】

    鼓膜所見にて鼓膜穿孔が確認できる。受傷直後は血餅により鼓膜穿孔が確認できないこともある。

    聴力検査にて主に伝音性難聴を呈するが,内耳障害による感音性難聴を合併することもある。

    短期間に聴力が悪化する場合やめまいを伴う場合は,外リンパ瘻の合併が疑われる。

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