□喉頭癌は60~70歳代に好発し,男女比は15:1で圧倒的に男性優位で,罹患率は人口10万あたり3人程度である。95%以上が扁平上皮癌で,喫煙が最大の発癌危険因子である。
□発生部位別分類と割合は,声帯に発生する声門癌が65~70%,声帯の上に発生する声門上癌が30~35%,声帯の下に発生する声門下癌はわずかである。
□5年相対生存率は,Ⅰ期92.7%,Ⅱ期84.6%,Ⅲ期62.6%,Ⅳ期43.8%,喉頭癌全体で76.0%である。
□特に早期に発見されることが多い声門癌のT1(Ⅰ期)の5年生存率は90%前後,喉頭温存率も85%前後と予後は良好である。
□声門癌では,腫瘍が小さいうちから声帯の振動が悪化するので,ほとんどの場合,早期から嗄声により発見される。頸部リンパ節転移は,進行癌になってから認められることが多い。
□声門上癌では,初期には症状を認めないことも多く,咽喉頭違和感などを認めるのみで,進行して声帯方向に浸潤してから嗄声をきたして発見されることも少なくない。頸部リンパ節転移では,早期から嗄声をきたしやすい。
□2週間以上続く嗄声では,喉頭癌を疑う。
□喉頭内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ検査):原発巣の診断には,内視鏡で喉頭を直接観察することが最も有効である(図)。
□喉頭ストロボスコープ検査:さらに声帯粘膜波動の乱れや減弱・消失を観察することで,早期に癌を発見することや癌の深達度を推定することができる。
□確定診断のために,局所麻酔あるいは全身麻酔下に生検を行う。
□癌の深部浸潤や頸部リンパ節転移の有無の診断にはCTやMRI等の画像診断が役立つ。
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