□咽頭癌は,病理組織学的にほとんどが扁平上皮癌である。
□煙草・酒の濫用が原因となる。
□口蓋扁桃や舌根に発生する中咽頭癌では,高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV),特にタイプ16の感染も原因となる。
□HPVの感染リスクは,性的パートナーの数が多いほど,特にオーラルセックスのパートナーの数が多いほど増大する。
□HPV陽性中咽頭癌の数は増加傾向にあり,中咽頭癌の約半数を占める。
□HPV陽性中咽頭癌と,喫煙・飲酒で発生するHPV陰性中咽頭癌および下咽頭癌の間で臨床像が大きく異なる(表)。
□嚥下時違和感あるいは嚥下時痛:局在の明確な嚥下時の症状を訴える。
□嗄声:解剖学的に下咽頭は喉頭に隣接しており,下咽頭癌は容易に喉頭へ進展する。その結果,声帯運動が障害され嗄声をきたす。
□呼吸困難:下咽頭癌が喉頭へ進展し,気道狭窄をきたすと呼吸困難が生じる。
□構音障害:中咽頭癌が隣接する舌へ進展し,舌運動が障害されると構音障害をきたす。
□開口障害:中咽頭癌が内側翼突筋へ浸潤すると開口障害をきたす。
□頸部腫瘤:頸部リンパ節転移が高率にみられる。
□咽喉頭内視鏡検査(図)やCT,MRI,FDG-PETなどの画像検査により,診断は比較的容易である。
□食道癌が重複することが多く,上部消化管内視鏡検査は必須である。
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