遠い昔の話になるが、夫婦で同じ学会に行く時は会場にある託児サービスをよく利用した。講演やポスター以外で、この仮設保育園から学ぶことは実に多かった。子供を預ける直前に、「お母さん、いつものお子さんの呼び名を書いてください」とガムテープを渡された。子供3人分を書くと、エプロンの「先生」が、子供達の胸や背中に優しく貼ってくれた。「ほら、安全ピンや紐つきの名札は意外と危ないですからね」と。
現在私は、つるカフェという勉強会を立ち上げ、ガムテープを利用して仮設カフェの店主を名乗っている。在宅ケアに関わる専門職が中心の勉強会で、多職種連携に協働、顔の見える関係、地域包括ケア、地域共生社会、いやいや、まちづくりだと、時代の波も楽しんでいる。専門職ではあるけど「普通の人」として参加してもらいたく、肩書きなしの名札をガムテープで自作してもらう。
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