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ビックリ&困った「医療方言」エピソード【聞かせてください! 現場のホンネ】(84)

No.4916 (2018年07月14日発行) P.70

登録日: 2018-07-12

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今回は、意味が分からず対応に困った、あるいは意味が分かってびっくりした方言についてお聞きしました。研修先や出向先などでの、地元の患者や看護師との親密なやり取りが浮かびます。

【東北】

◉「つづらご」(青森県下北地域)
帯状疱疹。勤務医時代、派遣先で「わい、つづらごでだはんで、なおしてけ」と言われ、全く意味がわからず、看護師に通訳してもらった。「私は、帯状疱疹になったようなので、治療してください」という意味でした。(小児科・開業医)

◉「うらはしる」(山形県庄内地方)
下痢をする。初診患者の主訴が「うらはしる」だったが、地元の看護師が解説してくれて納得した。 (内科・勤務医)

◉「こわい」(福島県会津地域)
倦怠感がある、辛い。地域研修で都市部から来た男性研修医が地域住民への問診中に「こわい」と何度も言われ、「僕はこわくないですよ」と弁明していた。体格の良い研修医で、都市部でもよく患者に怖がられていたようだ。(内科・勤務医)

【甲信越】

◉「ねんぷてい」(長野県
外勤先の外来患者が「1日中、ねんぷてーんだ」との訴え、付いていたナースが「眠いってことですよ」と教えてくれた。(内科・開業医)

◉「べろ」(新潟県十日町市)
出向先の病院で患者に「べろ(舌)を出してください」と言ったところ、もじもじしていたのでナースに聞くと、新潟では「陰部」のことを言う、とのことでした。 (内科・開業医)

【東海】

◉「かじる」(静岡市)
痒いところを搔くこと(例:腕が痒くてかじった)。本当に噛み付いたのかと思ってびっくりした。 (内科・勤務医)

【近畿】

◉「ずつない」(三重県)
何となくしんどい時、「(胸が)ずつない」などと使われる。急性冠症候群である場合もあり、恐ろしやです。当初は「頭痛がない」と思って、「そりゃいいですね」などと返答していました。(勤務医)

◉「ふいふいする」(京都府丹後地方)
土地の少し年齢のいった人達が、診察時に「頭がふいふいする」とよく言っていた。最初全く意味が分からなかったのですが、先輩のアドバイスで「めまいのような」「たちくらみのような」意味合いと判断できるようになりました。(内科・開業医)

【中国四国】

◉「脳を患う」(広島県呉市)
頭痛のこと。大学小児科から病院に出向、初当直で、「熱が出て脳をわずろうた。じゃけん診てつかーさい」と言われ、髄膜炎か脳炎かと思い診察すると、「風邪じゃと思う」と。よくよく聞いて頭痛のことと分かり、笑ってしまいました。(小児科・開業医)

◉「やねがこわれる」(徳島県)
肩甲上部に疼痛がある。私は徳島県鳴門市の生まれであるから意味が分かるが、他県から来た医師には分からない。(その他)

【九州】

◉「頭が悪い」(大分県)
頭痛という意味だと分かって驚いた。(薬剤師)

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