厚生労働省は5日の中央社会保険医療協議会で、2018年9月取引分を対象に実施した薬価調査の結果(速報値)を公表した。公定薬価と市場実勢価格の平均乖離率は約7.2%で、前回調査(17年9月)に比べ1.9ポイント縮小した。投与形態別の乖離率は、内用薬8.2%、注射薬5.2%、外用薬6.6%、歯科用薬剤マイナス5.7%。内用薬では、高脂血症用剤、血圧降下剤、消化性潰瘍用剤などの乖離率が特に大きく、10%を超えていた。
今回の調査結果は、消費税率10%への引上げに対応するための19年度薬価改定に反映される。医薬品流通の安定化のための調整幅(2%)を差し引くと、実勢価格に基づく引下げ幅は約5.2%となる。19年度改定では、実勢価改定(引下げ)を行ってから増税分の2%を上乗せする。改定の実施時期は予算編成過程で政府が最終決定するが、現段階では実勢価改定、増税対応改定ともに19年10月となる公算が大きい。
後発医薬品の数量シェアは約72.6%で、前回調査から6.8ポイント上昇した。
同日には、18年5~9月取引分を対象とした特定保険医療材料価格調査の結果(速報値)も公表された。材料価格の平均乖離率は約4.2%だった。