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■NEWS 薬機法改正の方向性が取りまとめ―薬剤師・薬局の役割明確化、添付文書の同梱廃止など提言

No.4940 (2018年12月29日発行) P.19

登録日: 2018-12-14

最終更新日: 2018-12-14

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厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(部会長=森田朗:津田塾大総合政策学部教授)は14日、医薬品医療機器法(薬機法)に関連する制度改正の方向性を盛り込んだ取りまとめ案を、部会長一任で了承した。厚生労働省は2019年の通常国会に同法改正案を提出したい考え。

取りまとめ案では、薬剤師には、調剤時だけでなく服用期間を通じて薬学的管理・指導を行う責務があると指摘。患者の服薬状況や実施した指導の内容について記録することを法律上義務づけるべきとした。また、地域での在宅医療対応や専門的な特殊調剤対応など「特定の機能を持つ薬局」を法令上明確にすべきとし、機能の情報を医療計画の策定等に活用することにも期待を示した。

医薬品・医療機器の添付文書情報の提供については、文書の製品への同梱を廃止し、電子的方法による提供を基本とすることを求めた。紙媒体での提供は初回納品時や改訂時など必要に応じて行うこととし、納品の度に同じ文書が施設内で増えて混乱が生じるのを防ぐ。

国家戦略特区で実証事業が行われている遠隔服薬指導を巡っては、テレビ電話を用いるなど適切な指導が行われることを条件に、対面指導原則の「例外」として位置づける必要があると整理。例外の内容については「かかりつけ薬剤師に限定すべき」との意見も考慮しつつ、専門家による検討を求めている。

医薬品の販売に関しては、降圧薬バルサルタンの不正問題などを踏まえ、虚偽・誇大広告等の違反行為で一定規模以上の利益を得た事案への罰則として、課徴金制度の導入を提言。製品の売上額に一定の率を乗じた額の納付を、国と都道府県が命令できるようにすべきとした。

部会は4月に議論を開始。特に薬局・薬剤師の役割や医薬分業のあり方を巡っては最後まで議論が白熱した

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