根本匠厚生労働相と麻生太郎財務相は17日、2019年度の社会保障関係費の予算折衝を行った。2019年10月に予定されている消費税率引上げに伴う診療報酬本体の改定率はプラス0.41%(国費プラス200億円)となった。
各科の改定率は、医科プラス0.48%(同プラス170億円)、歯科プラス0.57%(同プラス20億円)、調剤プラス0.12%(同プラス10億円)。
薬価と材料価格の改定は、市場実勢価に基づく改定(実勢価改定)と税率引上げ相当分の転嫁を同時に行う。改定率は薬価マイナス0.51%(消費税対応分プラス0.42%、実勢価改定分マイナス0.93%)(国費マイナス290億円)、材料価格プラス0.03%(消費税対応分プラス0.06%、実勢価改定分マイナス0.02%)(国費プラス20億円)となった。
介護報酬改定率はプラス0.39%(同プラス50億円)、障害福祉サービス等報酬改定率はプラス0.44%(同プラス30億円)となる。
改定はいずれも19年10月に行う。
このほか、社会保障関係費の伸びについては、18年度比プラス4800億円程度にすることとなった。厚生労働省は19年度予算の概算要求で高齢化等に伴う自然増として18年度比プラス6000億円を社会保障関係費として要求していたが、要求額よりも1200億円抑制することになった。
抑制する1200億円の内訳は、介護報酬の総報酬割(介護納付金を被用者保険間では報酬額に比例して負担する仕組み)の拡大(610億円)、薬価と材料価格の実勢価改定(500億円)、生活保護基準の見直し(30億円)など。
消費税率引上げによる社会保障の充実には公費8100億円(国費4800億円)を措置する。この中では、地域医療介護総合確保基金の増額、医療ICT化促進基金(仮称)の創設、介護人材の処遇改善(勤続10年以上の介護福祉士に月額平均8万円相当の処遇改善)などを実施する。