米国人女優アンジェリーナ・ジョリーさんの告白で日本でも関心が高まった、遺伝性乳がん予防のための乳腺切除。山内さんが率いる聖路加国際病院ブレストセンターでは2006年、いち早く遺伝カウンセリングと遺伝子検査を導入し、11年には結果が陽性の希望者に予防的切除を実施する体制を整えた。
以来900人以上がカウンセリングを受け、半数が検査を受診。約30人に予防的切除を行っている。「手術というドラスティックな対応ばかり今は注目されていますが、今後は食事や運動などrisk modificationができるような、ゼロ次予防の研究がどんどん進んでくる。患者さん一人一人の選択を支援できるよう、社会の体制を変えていくことが必要です」
センターでは多科・多職種が密に連携、チャプレンや事務・受付までがチームとなり、「慈しみに満ちた医療」の実現に努めている。
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