日本医師会の小玉弘之常任理事は9日の定例会見で、4~5月の10連休の医療提供体制に関して、都道府県医師会に調査した結果、6割以上が「行政の危機意識が低い」と回答したことを明らかにした。
調査は先月実施。都道府県行政の危機意識を聞いたところ、回答した38医師会のうち、「極めて低い」(5医師会)「低い、不十分」(19医師会)をあわせて、24医師会(63.2%)が低いと回答した。一方、危機意識が高いと評価されたのは栃木、埼玉、新潟、奈良、広島、高知の6県だった。
小玉常任理事は、10連休中の課題として、①中央省庁、地方公共団体その他関係機関に対する注意喚起、連携の要請、②救急搬送・医療、③公的医療機関等、④医療の提供(人工透析やがん化学療法等、検査、手術、入院、在宅)、⑤外国人医療対策、⑥介護、在宅医療分野、⑦テロ災害対策、⑧日本医学会総会―の8点を列挙。その上で「日医が挙げた問題点を踏まえ、近々、厚労省が都道府県に対し、10連休の医療提供体制の確保に関する調査を実施する方針を聞いている」と紹介した。
さらに「医療提供体制の構築にあたっては、地区の医師会が関係機関と相談し、一般医療機関の協力を得て、在宅当番医制、病院群輪番制による休日診療の体制を整えることが重要」と強調した。