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肝内結石症の現状と内視鏡的治療戦略は?

No.4943 (2019年01月19日発行) P.55

塩見英之 (神戸大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野)

宇座徳光 (京都大学大学院医学研究科消化器内科学講座)

登録日: 2019-01-19

最終更新日: 2019-01-15

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  • 肝内結石症は複雑な病態を示し,完治が難しく再発を繰り返すことが少なくありません。また肝内結石症を背景として胆管癌が発生することもあるため,治療のストラテジーを理解することは非常に重要です。
    肝内結石症の現状と治療方針について,京都大学・宇座徳光先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    塩見英之 神戸大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野


    【回答】

    【経皮経肝的胆道鏡による除石(PTCSL)で完全除石も可能】

    肝内結石症は,結石症の中で1%以下と稀な疾患です。しかし,その原因は不明で,再発頻度が高く,胆管炎を繰り返して患者QOLを著しく低下させるのみならず,胆管癌の発症リスクとなる難治性疾患です。本疾患の診療ガイドラインは存在するものの,その治療法の選択において確立したものはないのが現状です。

    これまでの全国アンケート調査によると,患者背景として,胆道再建術後,特に先天性胆道拡張症の患者が増加傾向にあります。また治療に関しては,肝切除などの外科的治療は減少傾向にある一方で,内視鏡処置を含めた内科的治療が増加し,全体の60%以上を占めるまでになっています。この事実は,今後は肝内結石症の治療において内視鏡処置が重要な役割を持つことを意味しています。

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