中央社会保険医療協議会(中医協)は13日の総会で、2019年10月に予定される消費税率10%への引上げに伴う診療報酬改定の内容を取りまとめ、根本匠厚労相に答申した。官報告示は、改定が施行される10月近くに行われる見込み。
主な新点数は表1の通り。初診料は288点、再診料は73点、急性期一般入院料1は1650点に引上げられる。答申された医科診療報酬点数表は厚労省ホームページで閲覧できる(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000478346.pdf)。
消費増税に伴う診療報酬全体の改定率は19年度予算編成過程でプラス0.41%と決まった。各科改定率は、医科プラス0.48%、歯科プラス0.57%、調剤プラス0.12%。
本体の改定では、税率8%への引上げに対応した14年度改定による補塡をリセットし、5%から10%への引上げに対応する。消費税補塡は基本診療料への上乗せを軸に実施。初診料と再診料については、14年度改定前の点数(270点、69点)から6%上乗せする。
入院料については、特定入院料を4つの分類に大別し、それぞれ親和性の高い入院基本料と同一の上乗せ率が適用されている(表2)。
薬価改定では、18年9月取引分の市場実勢価格に基づく改定(実勢価改定)等で0.93%引き下げると同時に、消費増税分を価格に転嫁するため0.42%引き上げ、差し引き0.51%のマイナス改定となる。新薬価は、税抜の市場実勢価格に消費税率(10%)を乗じ、流通安定化のための調整幅(改定前薬価の2%)を加味して算定。ただし、改定前薬価の108分の110の額を超えないようにする。実勢価改定の影響を補正する新薬創出等加算と基礎的医薬品のルールは、一部品目を除き適用する。最低薬価のルールも適用することとし、現行の額に増税分を上乗せする。
答申を受けた大口善德副大臣は「配点方法の精緻化により、医療機関の種類ごとに消費税負担に見合う補塡がなされると思う」と期待。さらに、「改定後の補塡状況の検証は、速やかにかつ継続的に行っていく」との考えを示した。