スタッフ選びは,自分が目標とする医療の提供と,働きやすい職場づくりの成功を左右する重要なポイントです。特に履歴書審査を含む書類選考段階では,いくつかのポイントを押さえて,応募者の専門性や配慮の度合いを見きわめる必要があります。
今回は,書類選考時にどの部分を重点的に確認すべきかを解説します。ぜひ最後までお読み頂き,クリニックが求める人材の採用に役立てて下さい。
応募書類を受け取ったら,まずは封筒から履歴書の封入状態まで,全体にわたって確認しましょう。封筒の選び方や送付方法,書類の扱い方について正しい知識を持ち,実践できることは,社会人としての基本と言えます。また,こういった細やかな手間や配慮が行き届いているかどうかは,患者さんへの気遣いが求められる医療職の採用において,重要な判断材料となります。
A4の履歴書を折らずに入れられる封筒を使っているかどうかを見ておくとよいでしょう。履歴書の書き方や扱い方をきちんと学んでいる人なら,大判の封筒を選び,クリニック側が読みやすいよう気を配ります。
宛先を書く時点で,採用サイトなどに掲載されている情報をよく読み込んでいるかどうかもチェックポイントです。医療職のキャリアパスやクリニックの特色をきちんと読んで確認していれば,封筒の宛先の部署も間違えず,必要事項も正確に記載されていることが多いです。筆者のクリニックでは,応募者が採用サイトを確認したかどうか,宛先を見ればわかるような仕掛けをしてあり,それもチェックポイントとしています。
送付方法としては,普通郵便でも届きますが,書留や特定記録郵便で送付されていると,クリニックに届いたかどうかの確認を重視している印象があります。中途採用では,こうした書類の送付方法からも,応募者の注意深さや責任感を見ることが可能です。
履歴書がクリアファイルに入っていると,書類が読みやすい状態で届くように配慮できる応募者だということが判断できます。医療スタッフの仕事は,患者さんの書類や薬剤の扱いに細やかさが求められるので,書類管理が丁寧であるかどうかはチェックポイントの1つです。また,宛名や封をした部分に誤字がないかも要確認です。忙しさの中で手早くすませる人より,正確に表記している人のほうが,入職後も正確な事務処理を期待できます。
連絡先の記載方法や付箋メモの添え方など,細かな点も確認しましょう。相手の手間を軽減するための気配りは,患者さんや他のスタッフへの思いやりにもつながるからです。