軍による負傷兵の後方搬送では,これまで検査データの紛失等で医療統計の内容は限られたが,アフガン・イラク戦争では,電子カルテとインターネットで負傷時から治療終了まで一貫した統計となった。イスラム国からのモスル奪還作戦では,非政府組織が負傷住民の初期治療後,重症者は後方病院へ搬送した。その際,団体間共通の患者番号なしの情報伝達のため,治療成績の分析には役立たない医療統計となった。災害の医療統計は初診から治療終了まで一貫した集計が必要である。
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