書店のイベントやネット記事など、いろいろな対談のお話が舞い込んでくる。中には、知る人ぞ知る「酒場ライター」バッキー井上さんとのお酒を巡る対談なんかもあったりするが、多くは医学関係だ。
消化器内科医・近藤慎太郎先生の『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』(日経BP社)を読んだ時、考え方が似てるなぁと思った。偶然、この本の編集者さんと知り合いだったこともあって、対談の依頼がきた。もちろん、喜んでお受けした。予想通り、えらく話が弾んだ。この本、オススメです!
鍼灸師・若林理砂さんとの対談依頼には、正直なところちょっと逡巡した。鍼灸の効果を認めるのはやぶさかでないが、経絡とか、その基礎理論がどうにも納得できない。
しかし、送られてきた若林さんの『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』(ミシマ社)を読んで、気が変わった。病気や健康に対する考え方やライフスタイルが、わたしとそっくりなのだ。
東洋医学と西洋医学、違ったことを学びながら、同じような結論に至ったことに興味がわいた。対談では、不躾な質問もいっぱいしたけれど、にこやかにフランクに答えてもらえて、とても勉強になった。
『胎児のはなし』は、産婦人科医で長崎大学病院・病院長の増﨑英明先生とノンフィクションライター・最相葉月さんの対談である。胎児を見ることが大好きな増﨑先生に、最相さんが質問を投げかけていく。
へぇ、そうやったんか、と感心しながら、お二人につられて、はははは、と笑いながら読み進めた。知らないことがいっぱいあったのがちょと恥ずかしかったけど。
なんと愉快な先生なんだと感心し、機会があればお目にかかりたいと思っていたら、出版社から対談の依頼があった。望むところだ、というより、感謝である。
この対談もむちゃくちゃ楽しかった。増﨑先生の「胎児フェチ」とまで思えるような胎児への愛情を感じることができた。なによりも「妊娠は楽しむべき」というメッセージが心に残った。
初対面の方との対談、お目にかかるまでは結構緊張する。でも、始まればいつも気分は最高だ。そんな対談いちばん楽しんでいるのは、聴衆や読者の方たちではなくて、間違いなくわたしであります。
なかののつぶやき
「『胎児のはなし』(ミシマ社)、寄藤文平さんのブックデザインも素敵です。近藤先生、若林さんとの対談はネットでも読めますので、興味のある人は検索してみてください」