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レストレスレッグス症候群[私の治療]

No.4955 (2019年04月13日発行) P.40

平田幸一 (獨協医科大学脳神経内科教授)

登録日: 2019-04-11

最終更新日: 2019-07-09

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  • レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)は下肢の不快感により不眠が生じる疾患であり,睡眠医学的には睡眠関連運動障害に分類される。RLSは日本人の2~5%,全年齢でみられるが,高齢者また女性に多い。本症候群は45歳未満に発症する早期発症型と,45歳以降に発症する晩期発症型では異なった特徴を呈する。早期発症例では,RLSの家族歴が高率である。病因的に,特発性のものと二次性のものがあり,特発性の病因としては脳内鉄利用障害やドパミン作動性神経の障害,オピオイド系の障害などが考えられている。二次性の病因としては,妊娠などによる鉄欠乏状態,鉄欠乏性貧血,尿毒症,糖尿病,末梢神経障害,さらにドパミン阻害薬などによる薬剤性がある。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    脚がむずむずしたり,火照ったり,あるいは,まるで虫が這っているかのような嫌な感じがあり,脚を動かしたくてたまらなくなる衝動につながるという,奇妙な訴えをよく聞くことにつきる。ただ,本人自体も系統立って訴えられないので,診断基準に則った構造化された面接により診断することが重要である。睡眠中あるいは安静時に生じる数秒~十数秒ごとの脚の不随意運動である周期性四肢運動(periodic limb movements during sleep:PLMS)が約半数にみられるので,それについても家族を含め聞く。

    【検査所見】

    末梢神経障害などの鑑別に一般的な神経学的検査,特に感覚機能検査,深部腱反射をみて正常であることを確認することは重要である。また,血液生化学検査では鉄,フェリチン量の測定が重要である。RLSを正確に診断し,また治療反応性などをみるためには,厳密には睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)が必要である。

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