日本医師会の小玉弘之常任理事は15日の定例会見で、2020年度政府概算要求に対する日医の要望事項を決定し、厚生労働省幹部に説明を行ったことを報告した。健康寿命の延伸と健康格差の縮小を推進する施策の財源として5000億円の確保を求めたほか、医師の働き方改革への財政支援などにかかる予算確保を要望している。
日医の要望事項は、①予防・健康づくり、②医師の働き方改革、③東京五輪・パラリンピック対策、④地域医療、⑤ICT・AI・IoT活用、⑥災害対策―など11分野への予算確保。小玉氏は会見で、特に①②③を今回の重点項目に位置づけていると説明した。
予防・健康づくりでは、妊娠・出産から高齢期まで「切れ目のない健康長寿社会」を構築するための財源として、医療費とは別に5000億円の確保を、厚労省、総務省、経済産業省に要望している。
働き方改革に関しては、一部の救急医療機関で、新たな時間外労働上限(原則:年960時間、暫定特例:年1860時間)などの労働法制に対応できないと危惧されていることを踏まえ、人員や資金が限られている民間の中小病院・有床診療所を対象に、医師の増員を含む支援を求めている。