被保険者番号の個人単位化と、オンライン資格確認の導入を規定した改正健康保険法が5月に成立したことを受け、厚生労働省は31日、オンライン資格確認のシステムを基盤として、医療に関する各種データベースの連結に被保険者番号を活用する仕組みの検討を開始した。有識者会議を設置し、初会合を開いた。
この方針は、6月に閣議決定された政府の「成長戦略フォローアップ」に盛り込まれたもの。2021年度からの運用開始を目指す。
会議で厚労省は、この仕組みの具体化に向けた検討事項として、①管理・運営主体をどうするか、②活用主体をどうするか―などと列挙。
このうち管理・運営主体については、全国約3400の医療保険者をまたいで、被保険者番号に関する機微性が高い情報を提供する仕組みであることから、「全国一元的な対応が可能」「公的な性格を有する」「適切な個人情報保護の措置が講じられる」などの条件を提示したほか、運用の費用負担のあり方も検討事項とした。
これに対し委員からは、「どういう目的で医療に関する各種データベースを連結し、連結することで、どういうメリットがあるのかを明確にしてほしい」との意見が相次いだため、次回以降、データベースを連結した際の具体的イメージを厚労省が提示し、議論を進めることとなった。
有識者会議では、今秋までに議論を取りまとめる予定。その後、有識者会議の議論を踏まえて厚労省の関係審議会で詳細を詰める。
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