厚生労働省は8月27日、2020年度予算の概算要求の概要を自民党厚労部会に示した。一般会計の要求総額は今年度当初予算比2.1%増の32兆6234億円。このうち社会保障にかかる経費は1.8%増の30兆5269億円で、要求段階では初めて30兆円台となった。高齢化等に伴う自然増については、内閣府所管予算の減少分を含めることで、政府全体として概算要求基準(上限)の5300億円に収める。
医療にかかる経費は計約11兆9000億円で、今年度当初予算より1900億円の増額を要望する。
政府の「骨太方針2019」で三位一体での推進が謳われている「地域医療構想」「医師偏在対策」「医療従事者の働き方改革の推進」に関しては、今年度当初予算比135億円増の979億円を要望する。医師少数区域に勤務する医師の定着や総合診療医の養成・確保を支援する取り組みの強化のほか、労働時間短縮や勤務環境改善に取り組む医療機関への支援を盛り込んだ。タスクシフティングに必要な医師事務作業補助者等の人材確保策の整備も図る。
来年4月に控える診療報酬改定への対応については、金額を明示しない事項要求とし、年末の予算編成過程で財務省と調整するとした。
このほか、予防・健康づくり関連施策全体で1025億円(今年度当初予算比21億円増)、6月に策定された「認知症施策推進大綱」に沿った施策の推進に135億円(同16億円増)なども要望する。