2019年9月5~9日、第11回日独血管外科学会が大分大学心臓血管外科の宮本伸二教授会長のもと、別府湾に面したホテル&リゾーツ別府湾で開催された。幸い、好天気に恵まれ、ドイツからも家族を含めて30名ばかりが出席した。特に、ドイツからの希望として、会場は海辺で刺身が食べられるところであればどこでもよい、ということだったので、願ってもないところであった。通常ならば今年開催される予定だったが、今年はオリンピックが開催される年でもあり、この地は多数の人が来られるので昨年開催した。
この学会は、日本とドイツとで2年に1度開催される。公用語は英語で、9月5日の午前中は、大分には血管内治療を行うステントグラフトである「Najuta」の川澄化学工業株式会社があり、特にドイツ人の医師がその製造過程を見学した。
午後6時30分からopening ceremonyが始まった。まず宮本伸二教授の挨拶があり、次いで前回の会長であるProf. Dr. Max Zegelmanの挨拶があり、その後に私が挨拶と乾杯を行った。私は、1989年12月に第1回目を神戸市で開催して大成功を収めた。第2回目は、ドイツでProf. Dr. Imigが会長を務め、第3回目は沖縄で古謝影春教授が行い、順次今日まで2年に1度開催され、昨年で21年間の歳月が経っているということなどや、ドイツから来てもらえたということもあり、これをドイツ語で話を続け、乾杯を行った。このようにWelcome partyが始まり、全員着席で食事についた。次いで、クラシック音楽が続いた。次の子どもの太鼓の演奏はとても上手であり、大拍手を送ったのである。その後は、ピアノ、ヴァイオリン、クラシック・ギター演奏で、「ラ・コンパルシータ」などの有名な音楽が流れた。また、この中で全員合唱で「ein Prosit」という歌を楽しく歌った。
翌日は、朝8時から夕方16時まで、学会が始まり昼の1時間休みはあったが、後は講演が続いた。演題は全体で69演題であり、このうち20演題はポスターセッション(29%)であった。日本人やドイツ人から多くの質問があり、座長はドイツ人と日本人の教授連があたっていた。
学会は普通に終わり、午後からは、別府市内の観光に出かけた。「血の池地獄」、「海地獄」などの他、宇佐神宮などを回り、最後の夕暮れは、足湯につかりながら、蒸し焼き料理を沢山頂いた。この間も、津軽三味線やギター演奏があり、参加者全員は本当に別府の町をこよなく愛したのであった。このように日独血管外科学会は、日頃勉強している問題点や開発している研究などを共通の場として、お互いに切磋琢磨している。
次回の会長は、私と一緒に座長を行った Prof. Dr. Christian Senokowitschで、ウィーンで開催されることになった。ウィーンでの再開を約束しながら、別府を後にした。