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高齢者人生会議[炉辺閑話]

No.4993 (2020年01月04日発行) P.37

福間誠之 (特別養護老人ホーム洛和ヴィラ桃山医務室)

登録日: 2020-01-03

最終更新日: 2019-12-20

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超高齢社会となった日本では比較的元気な高齢者も多いように思えるが、何時かは人生の最後を迎えなければならない。厚生労働省は11月30日を「いいみとりの日」として、人生会議を持ち、人生の最後を迎えるに当たりどのような医療を受けたいか考え、自分の意思表示をすることを提案している。年齢とともに身体的能力が衰え、自分で自分のことができなくなり介助が必要となり、病気に対する回復力も低下して医療の効果もあまり期待できなくなり、何時か最期を迎えるが、その時点で意思表示ができなくなっていることが多いので、あらかじめ話し合っておくことが必要である。

自分の大切にしていることは何かを、あらかじめ自分の信頼できる人に知ってもらい、何か意思表示をしておくことが必要である。

特別養護老人福祉施設(特養)に入所した人は終の住処になることが多く、本人と家族に終末期の迎え方に関しての意向を尋ねるようにしているが、これまであまり考えたことはなく、わからない、と言われる。高齢者が特養に入所するときには、人生会議の機会を持ち、終末についても話し合っておくことが望ましい。かかりつけ医があれば、これから先の見通しを参考に、どのような終末期を迎えるのか話し合いができれば理想的である。特養に入所してきたときに多くの人は認知症のために延命措置に関しても理解を得るのが困難であるが、これまでの生き方や考え方を参考にして、家族とともに人工呼吸器装着、心肺蘇生術、点滴注射、胃瘻造設、経管栄養などについて考えるようにしているが、どのような場合に必要となるのか、メリット、デメリットについても説明を受けても、実際にどのようになるのか想像ができなくて、決められないようである。これからの高齢者は機会があれば、自分の人生の閉じ方について考え、身近な人と話し合って信頼できる人に理解しておいてもらうことが大切である。

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