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医師の国際協力の意義とは?(名知仁子 NPO法人ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会代表)【この人に聞きたい】

No.4996 (2020年01月25日発行) P.12

名知仁子 (NPO法人ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会代表)

登録日: 2020-01-28

最終更新日: 2020-01-22

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国際医療協力は聴診器1本で幅広い経験が試される医の原点
保健衛生活動と菜園支援、巡回診療で
ミャンマー人が自ら健康と幸せを築く支援を目指す



なち さとこ:1988年獨協医大卒。日本医大第一内科勤務などを経て、2002年国境なき医師団に入団。03年ヨルダンにて、クルド人難民の援助を行う。08年NPO法人の前身となる任意団体を設立。09年国境なき医師団日本支部理事、10年には同専務理事に。12年にNPO法人設立。ステファニ・レナト賞など受賞

経済のグローバル化が進む中、日本人医師の活躍の場も広がっている。ミャンマーの無医村で医療活動などを進める「ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会」代表の名知仁子氏に、現在の活動に至った経緯と医師が国際協力活動を行う意義について聞いた。

自らの健康を守る 地域健康推進員を育成

──ミャンマーで、どのような活動をしているのですか。

1つは、無医村の巡回診療です。ミャンマー南部の町ミャウンミャを拠点に15の無医村をミャンマー人の医師や看護師と一緒に車で巡回しています。

ミャンマーでは人口5300万人の約7割が農村部に住み、十分な医療を受けられないばかりか、電気や清潔な水のない生活をしています。町の病院まで行くには日当(平均160円程度)の3倍もの交通費がかかるため、具合が悪くても受診が遅れがちです。

もう1つの活動の柱は、病気にならないための保健衛生指導です。巡回診療を行っている村で、手洗いや歯磨き指導、ふたのついたトイレの設置の必要性など、感染症や熱中症の予防などを目的とした啓発活動を行っています。

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