No.4996 (2020年01月25日発行) P.12
名知仁子 (NPO法人ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会代表)
登録日: 2020-01-28
最終更新日: 2020-01-22
経済のグローバル化が進む中、日本人医師の活躍の場も広がっている。ミャンマーの無医村で医療活動などを進める「ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会」代表の名知仁子氏に、現在の活動に至った経緯と医師が国際協力活動を行う意義について聞いた。
1つは、無医村の巡回診療です。ミャンマー南部の町ミャウンミャを拠点に15の無医村をミャンマー人の医師や看護師と一緒に車で巡回しています。
ミャンマーでは人口5300万人の約7割が農村部に住み、十分な医療を受けられないばかりか、電気や清潔な水のない生活をしています。町の病院まで行くには日当(平均160円程度)の3倍もの交通費がかかるため、具合が悪くても受診が遅れがちです。
もう1つの活動の柱は、病気にならないための保健衛生指導です。巡回診療を行っている村で、手洗いや歯磨き指導、ふたのついたトイレの設置の必要性など、感染症や熱中症の予防などを目的とした啓発活動を行っています。