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五十の手習い─義太夫入門 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(7)]

No.4700 (2014年05月24日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-03

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  • この3月に57歳になった。老け込むのを避けるため、50歳を超えたころから、自転車通勤、雪山など、年に1つは新しいことを始めることにしている。この歳になってと思わないこともないのだが、人生80年の時代。そこまで生きられたら、ではあるけれど、いまから始めても20年は続けられることになる。

    新しいことの1つとして、なにか習い事をとずっと考えていた。なににするか、なかなか決めかねていたのであるが、昨秋から義太夫を習い始めることにした。

    文化センターでの「義太夫発声練習」というクラスなのだが、師匠は一流。クリスチャンの文楽太夫としても知られる豊竹英大夫師匠から直々に教えを受けている。

    そうならないように注意しているとはいうものの、大学教授をしていると、知らず知らずのうちに頭が高くなっているような気がする。困ったことに、たとえそうであっても、誰も教えてくれない。

    それではあかん、と、ずっと思っていた。教えるばかりで教わることがない、というのは収支バランスが悪すぎる。まったくの素人として教えを乞い、教えられる気分も味わってみることにした。

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