No.5002 (2020年03月07日発行) P.6
太田守武 (NPO法人Smile and Hope理事長)
登録日: 2020-03-09
最終更新日: 2020-03-04
東日本大震災から9年。難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)当事者の医師で、被災地支援を続けるNPO法人Smile and Hope理事長の太田守武氏に、支援の内容と重度の障がい者や高齢者など災害時要配慮者が助かる災害対策について聞いた。
地震や水害などで避難が必要になった時、重度障がい者や高齢者など自力での避難が難しい人やその家族と支援者が、どのように避難をするのか、各地域で避難訓練をしておくことが大切です。災害時にどのような支援や備蓄が必要かは個人差が大きいので、障がい者や高齢者本人が、その状況を一度は体験してみることが何より重要になります。
昨年の台風による千葉県内の長期間の停電では、重度障がい者や高齢者の災害対策の遅れが浮き彫りになりました。私たちはこの3年間、停電対策や避難訓練などを呼び掛けてきましたが、啓発できていないことに愕然としました。
私たちのNPO法人では、人工呼吸器を装着し、四肢麻痺のある私のような重度障がい者が避難することを想定した「災害時特殊避難マニュアル」を作成しています。それに基づいた避難訓練を昨年度と今年度の2回実施し、マニュアルを改訂しました。
私たちの経験を生かして他の地域へのアドバイスもしています。避難訓練や災害対策について分からないことなどありましたら、気軽にご相談ください。一緒に考えさせていただきます。