株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

「スポーツは体に悪いのではないか」説 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(14)]

No.4712 (2014年08月16日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • かねてから、スポーツが体にいいというのは虚言であって、本当は体に悪いのではないかと疑っている。スポーツをしていて怪我をした、とか、最悪の場合、急死された、という話はまま聞くことである。

    おそらく、スポーツなどせずに家でじっとしていたら、そんな不測の事態に陥ったりしなかったはずだ。

    そんな持論を持っているにもかかわらず、つい出来心でジョギングを始めてしまった。この夏、モンブランに挑む予定なので、少しでも体力をつけなければ、と、邪な気持ちを抱いたのが間違いであった。

    何を始めるにも、道具から入るタイプである。ふらふらと一式を取りそろえてしまった。だいたい人間がせこいので、お金を払うと元を取ろうと熱心になってしまう。

    せっせと走り出した。わずか3回目にして膝を痛めた。普通には歩けるけれど、階段の上り下りができない。じきに治るかと思っていたけれど、1週間たってもまったく良くならない。

    心配になって、日本でも有数の名医という、膝を専門にする同級生にお伺いをたててみた。MRIとレントゲンの画像がないとわからないという、まっとうなお答えをちょうだいしたが、忙しいので放っておいた。

    残り481文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top