No.4719 (2014年10月04日発行) P.75
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-03-23
新幹線開業50周年、めでたいことである。1964年10月1日の開業当時、私は7歳、小学校2年生だった。新大阪駅まで社会見学に行ったのをよく覚えている。パンタグラフが菱形でないことに感動した。前後がわかるようにテールライトが赤色になってると聞いて、なんでそんなことせんとあかんのやと不思議に思った。
初めて乗ったのは翌年。全線開通したての名神高速道路を使って車で名古屋まで行って、ひかりで帰ってくるという、その時分の子供には大興奮の日帰り旅行だった。はしゃぎすぎて、大津サービスエリアで転んで手のひらを切った。大体そういう子供であった(いまも大して変わってないかも)。
二度目に乗ったのは小学校3年生、叔母の結婚式で東京へ行った時。よほどうれしかったのか、この時のことは驚くほどよく覚えている。せこい子供だったので、披露宴で普段は飲ませてもらえないジュースをがぶ飲みして、帰りの新幹線でゲロしてつらかったことも…。
そのころは、小学校へ怒られに行っていると言われるほど、叱られどおしだった。自慢じゃないが、そんな経験があるから、いまだに少々怒られてもびくともしない。子供時代の慣れというのは恐ろしい。
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