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■NEWS  医療資源を重点活用する外来で類型案を提示―医療計画検討会で厚労省

No.5006 (2020年04月04日発行) P.68

登録日: 2020-03-18

最終更新日: 2020-03-18

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 厚生労働省は313日に開かれた「医療計画の見直し等に関する検討会」に、外来機能の分化と連携で優先的に検討する「医療資源を重点的に活用する外来」について、3つの類型案を示すとともに、これら外来の実施状況について医療機関に報告を求めた上で、地域医療構想調整会議などで必要な調整を行うことなどを提案した。構成員からは慎重な検討を促す意見が相次いだ。

  検討会は外来医療の機能分化と連携について集中的に議論し、4月に中間取りまとめをすることになっている。厚労省のデータによると、すでに多くの二次医療圏が外来需要のピークを迎え、2025年以降は全国的に需要が減少するとみられている。一方で、医療技術の進歩で従来は入院が必要だった手術や検査の日帰りでの実施が可能になったことで、診療所医師の専門分化が進み、消化器内科、脳神経外科といった専門領域の医師が増加傾向にある。限りある医療資源を地域に適正に配置する観点から、厚労省は前回の検討会で、専門外来のような「医療資源を重点的に活用する外来」について、医療機関ごとにその機能を明確化し、地域での機能分化・連携を進めることを論点に位置付けていた。

 これを受けて厚労省は、▶医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来(短期滞在手術等基本料23などを算定)、高額等の医療機器・設備を必要とする外来(外来化学療養加算などを算定)、特定の領域に特化した知見を有する医師・医療人材を必要とする外来(難病外来指導管理料などを算定)―の3つの類型を「医療資源を重点的に活用する外来」と仮定。これら外来の実施状況に関するデータを検討会に示した。

 それによると3類型に該当する外来の実施割合は、診療所を含む全医療機関が11%、病院は24%。病院のうち地域医療支援病院が35%、特定機能病院は31%だった。これら外来医療の実施率が40%以上の医療機関は、全医療機関3%、病院7%、地域医療支援病院18%、特定機能病院6%。実施率50%以上では、全医療機関2%、病院3%、地域医療支援病院4%、特定機能病院5%―となった。

 医療機関による定期報告の制度化なども提案

 地域で外来医療の機能分化と連携を進めるには、地域の各医療機関で、これらに該当する外来医療がどの程度実施されているかを把握し、調整する仕組みが必要になる。この点について厚労省は、病床機能報告制度を参考に、各医療機関が「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を都道府県に定期的に報告することを提案。その結果を外来医療計画について協議する地域医療構想調整会議などの場で議論し、医療機関の自主的な選択を促す道筋を示した。医療機関の自主的な取り組みだけで成果が出ない場合には、都道府県知事の権限を行使することも検討課題に挙げている。

  議論では厚労省の提案に総じて慎重意見が示された。城守国斗構成員(日本医師会常任理事)は、外来機能の類型化案について、「医療資源とコストをメルクマールにしたもので、本来の外来機能の明確化からは程遠い。患者から見てわかりやすくなるのか」などと指摘。櫻木章司構成員(日本精神科病院協会常務理事)は、「医療機能の細分化がさらに進み、今問題にしている受診行動をより加速することになるのではないか」と懸念を示した。本多伸行構成員(健康保険組合連合会理事)は全体的な方向性には賛同したものの、議論の素材として診療所に関するより詳細なデータの提出を求めた。

また、医療機関に報告を求めることに関して今村聡専門構成員(日医副会長)は、「ごく一部の特化した診療所以外は幅広い医療を行っており、それを報告するのは難しい」と反対姿勢を表明。地域医療構想調整会議での協議については複数の委員が実効性を疑問視した。

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