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偉大な発見は、ちょっとした「実験」から [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(25)]

No.4724 (2014年11月08日発行) P.71

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-17

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  • 身近なところでちょっとした実験をしたくなる。昔からのことだから、癖といってもいいのかもしれない。

    30年も前、堺の病院に赴任した。当時は公害喘息の患者さんがたくさんおられる空気の汚い町だった。鼻毛の伸びるスピードが2〜3倍になったような気がした。ある日、何を思ったのか忘れたのではあるが、鼻毛を抜いてみることにした。

    毛根を利用して、抜いた鼻毛を紙に立てていくと、不思議なことに気がついた。長い鼻毛ほど太いという傾向があるようなのだ。はて、髪の毛、睫毛、陰毛はどうだろう、と、何本かサンプリングしたが、そんなことはなかった。

    不思議である。コンピューターで検索してみたが、鼻毛の太さと長さの相関関係についての論文はないようだ。誰か真剣に研究する人はおらんだろうか。

    そんなアホなこと研究する人なんかおるわけない、と思われるかもしれん。が、鼻毛の幹細胞の制御は他の部位の毛の制御と違うのではないか、というのはおもしろいテーマであるような気が、しないか…。

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