私は、平成元(1989)年に大学を卒業後、内科医として約30年間多数の患者さんを拝見してまいりました。その中で、私の大学病院の外来に、十数年間、ご夫婦で通院されている男性がおられます。
この方は、発症数年前から手指のレイノー症状があったようですが、六十数歳のときにこれらの症状が悪化し、両側の手指・足趾のチアノーゼと疼痛が出現しました。そして、急激な症状の進行により、両側の手指・足趾の壊死と(写真)、炎症所見を伴う発熱を呈するようになり、地元の地域中核病院の循環器内科に入院されました。診断・治療に苦慮された主治医の先生が私の外来に、膠原病の可能性はないか、ということで、入院を継続したままで、紹介してくださいました。
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