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東日本大震災:医師としての分岐点[プラタナス]

No.5012 (2020年05月16日発行) P.3

福本義弘 (久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科部門主任教授)

登録日: 2020-05-16

最終更新日: 2020-05-14

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  • 2006年4月、九州大学時代の上司が東北大学循環器内科教授に就任したのを機会に、杜の都・仙台に着任した。それまでも忙しいと思っていたが、東北大学での仕事は多忙を極めた。臨床業務は、通常忙しいと思われている市中の急性期病院並みに忙しく(お陰で臨床力がかなり伸びた気がする)、さらに大学院生の研究指導、医学生および初期研修医の教育と多忙であった。東北大学へ着任する前、後輩から「10年以内に宮城県沖地震が起きる可能性が9割ですよ」と言われていた。

    2011年3月11日14時46分、東日本大震災の地震が発生した。私はちょうど、心臓カテーテル検査室で検査を終えたところであり、通常より長く、そして強く揺れ、ただ事ではないと感じたのを覚えている。幸い、病院内には大きな被害はなかったものの、大地震に反応して院内各所の防火扉が閉まっており、停電し、エレベーターも停止し緊急用の扉が閉まっていた。

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