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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に起因する肝臓癌の特徴とそのスクリーニング対策は?

No.5028 (2020年09月05日発行) P.51

兵庫秀幸  (JA広島総合病院肝臓内科主任部長/ 消化器内科部長)

徳重克年  (東京女子医科大学消化器病センター 消化器内科教授/講座主任)

登録日: 2020-09-03

最終更新日: 2020-09-01

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  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)に起因する肝臓癌の特徴とそのスクリーニング対策についてご教示下さい。東京女子医科大学・徳重克年先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    兵庫秀幸 JA広島総合病院肝臓内科主任部長/ 消化器内科部長


    【回答】

    【NAFLDからの肝発がん危険因子は,高齢・男性・高度肝線維化・糖尿病とされる】

    近年,わが国においては,C型肝炎の減少に伴い,非ウイルス性肝疾患,特にNAFLDを基盤にした肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)が増加しています。NAFLDはわが国だけで約2千万人いると推定されていますが,NAFLDからのHCCの発がん率は0.51%/12年,グローバルの疫学研究でも,“HCC incidence rate among NAFLD patients was 0.44 per 1000 person-years, in NASH was 5.29 per 1000 person-years”と報告されています。すなわち,10年でNAFLDからは約0.44%,非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)からは約5.3%と推定されており,発がん頻度はそれほど高くありません。しかし,成人の2~3割がNAFLDであることから大きな問題となっています。

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