私たちの外来の待合室に「自由につぶやくノート」が置いてあります。現在、2冊目になりました。このノートを置くようにした経緯を、この場を借りて紹介したいと思います。
ある患者さんが、「待合室にはたくさん患者さんがいるのに、寂しい」と言われました。医師の私には「寂しい」という意味がすぐにはわかりませんでした。そこで、どういう意味かおそるおそるその患者さんに聞いてみると、「乳がんは私だけじゃない。みんなつらいのを頑張っているんだと思う。でも、隣に座っている人に話しかけられない。同じ年くらいかなと思っても、検診の人かもしれない、付き添いなのかもしれない、個人的なことを聞かれたら迷惑かもしれない、と思うと誰にも声をかけられない。仲間がいれば一緒に頑張れるのに」。そして、その患者さんが言いました。「迷惑にならないようにみんなが書き込めるノートをつくれないかな?」と。
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