チームワーク、フットワーク、ネットワークの3つの“ワーク”を軸に、病診連携を含むセーフティネットを構築、“軽薄短小”な在宅医療の実現を目指し、東京都大田区に専門クリニックを開業して10年。高齢者約300人を対象に訪問診療を行っている。
「24時間365日、夜間せん妄どんとこい。患者さんには緊急連絡先を知らせ、往診の道具を詰めたリュックを枕元に置いて寝ています。そうして『いつでもOK』と言ってあげると、かえって電話の数も減るんですね。安心するって大事」と笑う髙瀬さん。
特に力を入れているのが認知症だ。医師になり立ての頃から家庭医学や家族療法に興味を持ち、学んできた髙瀬さんにとって、訪問診療はその実践の場になっている。
「認知症には多様な文化的側面があります。家族の精神的な力動が歪み、しかも時々刻々変わる。その匂いを嗅ぎながら、複雑系で言うところの“最適化”に向けて、家族療法的にアプローチするのが面白い」
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