「この度は誠に遺憾です。ご冥福をお祈りいたします」。この言葉を何回言ったかわからない。
医師となって、治療し、寛解できた患者も多くいる一方で、看取った患者も多くいる。写真の患者もそうだった。誤嚥性肺炎で3年前から入退院を繰り返していた患者であった。最期は家族に囲まれて亡くなった。私が忘れられないのは最期に家族に言われた言葉である。「毎回担当医が変わったけれども、今回はじっくり話が聞けて先生でよかったです……」。
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