厚生労働省は4月27日に開かれた、経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会「社会保障ワーキング・グループ(WG)」に、後発医薬品の使用割合に関する新たな目標を提示した。2023年度末までに後発医薬品の数量シェアをすべての都道府県で80%以上とすることを目指す。
後発医薬品の使用促進を巡っては、当初、20年9月までに使用割合を80%にする目標を掲げていたが、20年9月の薬価調査における実績は78.3%と、目標にはわずかに届かなかった。加えて、沖縄県、岩手県、鹿児島県の使用割合は85%前後と高いのに、最も低い徳島県では70%に満たないなど、都道府県格差があることも明らかになっている。
使用割合の新たな目標設定が急がれる中、追い討ちをかけるように昨年末から今年2月にかけて、後発医薬品メーカーの不祥事が相次いで発覚。後発医薬品の品質に対する信頼が低下し、使用促進の足かせになることが懸念されている。
事態打開に向け、厚労省は①後発医薬品メーカーの不祥事による後発医薬品使用割合の変化・傾向を注視する、②後発医薬品使用割合の見える化の対象を地域や医療機関等に着目して拡大する―などに取り組む方針をWGで説明。②では、21年度中にNDBを活用した都道府県、二次医療圏、年齢、薬効分類、医療機関別などでの後発医薬品使用割合の見える化を検討する考えを明らかにした。分析結果は都道府県に提供。後発医薬品安心使用促進協議会や保険者協議会などの場での使用促進策に活用してもらうことで、全体の底上げを図るとしている。