人生会議(アドバンス・ケア・プランニング:ACP)は患者本人の価値観,人生のゴール,医療・ケアについての意向をより早い時期からの話し合いにより医療者と共有し,人生の最終段階に反映させる取り組みである。
事前指示書,リビングウィルを話し合いの過程で取得したとしても,これがACPのゴールではなく,話し合いのプロセスそのものを重視する。
ACP,事前指示書,リビングウィルとも法制化はされていない。
日本医師会第ⅩⅤ次生命倫理懇談会 答申「超高齢社会と終末期医療」(2017年11月)および厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編」(2018年3月)1)に臨床におけるACPの推奨が明記され,その後,在宅医療や病診連携に関連した診療報酬の複数項目の要件として反映されている。
まず,ACPプロセスの基本構造を理解する。一般に次の5ステップからなる。
①話題の導入と情報提供
②話し合いを促進する。
③話し合いの内容のカルテへの記録あるいは事前指示書の記載,代弁者の指名,これらの周知
④記載内容の振り返りや事前指示書の書き換え,周知
⑤本人の希望内容を実際の現場に適応する。
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