高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が加速し、64歳以下への接種も進む中、一部自治体ではワクチン接種に対応できる医師が不足している。政府が公表したデータによると6月23日時点の高齢者の接種状況は、65歳以上人口3549万人のうち1回接種終了が51.09%(1813万回)、2回接種終了が17.51%(621万回)となっている。政府は7月末までにすべての自治体で希望する高齢者への接種を終了する予定としているが、自治体によっては目標達成に黄信号がともっている。
要因の1つは、接種業務を担う医療従事者、中でも予診を行う医師が不足している問題がある。ワクチンを接種する人材としては看護師、薬剤師などの活用でメドが立っている自治体が多いものの、予診を行う医師については必ずしも充足していない状況にある。
64歳以下への接種を進めていく中で、今後は医療過疎地域だけでなく現役世代の多い大都市圏でも医師不足が懸念される。厚労省は「新型コロナワクチン接種医師確保事業」の枠組みでワクチン接種への医師の参画を促している。
東京都は、新型コロナワクチン接種の円滑な実施に向けて医師や歯科医師の人材バンクを立ち上げた。接種協力の申し出をした医師・歯科医師の情報を登録し、都や区市町村の求人情報の情報提供を行う。
東京都の高齢者への接種状況は、1回接種終了が51.77%、2回接種終了が17.88%(6月23日現在)。東京都の64歳以下の人口は約1384万5000人で、すべてが接種対象ではないものの、新規感染者数が増加傾向に転じつつある中で接種体制の拡充が喫緊の課題となっている。
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