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■NEWS 新型コロナの影響でレセプト総件数が約2割減少―20年診療行為別統計

No.5073 (2021年07月17日発行) P.70

登録日: 2021-07-07

最終更新日: 2021-07-07

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厚生労働省が630日に公表した「令和2年(2020年)社会医療診療行為別統計」によると、206月診療分の医科の1件当たり点数は入院が前年比で5.3%増、入院外が4.9%増となったことがわかった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で集計対象のレセプト件数は2割程度減少し、診療実日数や点数も大きく減少。このため、1件当たり点数や1日当たり点数の前年比は大きく増加したが、厚労省は「レセプト件数が大幅に減少しているため、点数(医療費)は減少していることにも留意が必要」と指摘している。

医科の分析結果をみると、入院の1件当たり点数は57074.2点(前年比5.3%増)、1日当たり点数は3446.6点(2.3%減)となった。診療行為別の1日当たり点数が最も高かったのは、「入院料等」の1329.3点(構成比38.6%)、次いで「診断群分類による包括評価等」の1018.9点(構成比29.6%)、「手術」の534.0点(15.5%)など。1件当たり日数は、16.56日(前年比1.19日増)だった。

入院外の1件当たり点数は1445.0点(前年比4.9%増)、1日当たり点数は979.0点(7.0%増)。診療行為別の1日当たり点数は、「検査」163.7点(構成比16.7%)、「投薬」146.8点(15.0%)、「注射」128.8点(13.2%)の順に高かった。1件当たり日数は前年比0.03日減の1.48日。

一般、後期高齢者別でみると、入院の1件当たり点数は、一般医療55241.8点、後期医療は58695.3点。1日当たり点数は、一般医療3990.6点、後期医療は3095.3点となった。年齢階級別で最も高いのは「014歳」(6524.4点)、逆に最も低いのは「75歳以上」(3129.6点)。診療行為別の構成割合を比較すると、後期医療は一般医療よりも、「入院料等」、「リハビリテーション」が高く、「手術」、「診断群分類による包括評価等」は低い。1件当たり日数は、一般医療13.84日、後期医療18.96日だった。

入院外の1件当たり点数は、一般医療1323.2点、後期医療1718.0点となった。1日当たり点数は、一般医療945.5点、後期医療1042.8点で、年齢階級別では「6574歳」(1132.6点)が最も高く、「014歳」(610.6点)が最も低かった。診療行為別の構成割合では、後期医療は一般医療に比べて、「在宅医療」が高く、「初・再診」が低い傾向がみられた。1件当たり日数は一般医療1.40日、後期医療1.65日。

■入院外の院外処方率は病院80.8%、診療所76.3

一方、入院外の院外処方率は77.3%となり、前年比で0.7ポイント上昇した。内訳は、病院80.8%(前年比1.3ポイント増)、診療所76.3%(0.6ポイント増)。後発医薬品の使用状況をみると、薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数の割合は、入院と入院外を合わせた総数で75.6%(2.5ポイント増)となった。内訳は入院が72.5%(3.2ポイント増)、入院外のうち院内処方は65.5%(2.4ポイント増)、院外処方は78.2%(2.4ポイント増)。

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