厚生労働省の「外来機能報告等に関するワーキンググループ(WG)」は7月7日、初会合を開き、今後の検討事項とスケジュールを確認した。10月までに2022年度の外来機能報告の創設に向けた課題について一巡目の議論を行う。その後は、大病院受診時定額負担に関する中央社会保険医療協議会の議論も横にらみしながら、さらに検討を深め、年内に報告書をまとめる。
外来機能報告では、一般病床と療養病床を持つ病院および診療所に、「医療資源を重点的に活用する外来」(以下、重点外来)の実施状況などについて、年1回の報告を義務づける(無床診療所の報告は任意)。その際、地域で重点外来を基幹的に担う意向がある病院(以下、重点基幹病院)には、手挙げも求める。都道府県は、これらの結果を地域の協議の場で確認し、必要に応じて調整を行う。
WGでは、▶外来機能報告の具体的な報告項目や報告スケジュール、▶重点外来に該当する外来の項目、▶重点基幹病院の基準、▶地域における協議の場の協議スケジュールや協議の進め方―など、制度の運用に関する詳細を検討する。秋以降の取りまとめに向けた議論の基礎資料を得るため、8月から9月にかけて紹介率・逆紹介率の実情を把握するための調査・分析を行うことも予定している。
外来機能の明確化と連携は、22年度の診療報酬改定でも主要課題のひとつ。特に一般病床200床以上の重点基幹病院は、大病院受診時定額負担の対象に追加されることが、すでに決まっている。
この日の議論では、複数の委員が重点基幹病院の指定単位について、厚労省に説明を求めた。同省は、病院単位で指定し、同一病院内で重点外来に該当しない診療科がある場合については、現行の受診時定額負担における除外患者の規定(病院の判断で除外できる患者を定めた規定)を参考に、取扱いを検討する考えを示した。ただ、その場合、受診時定額負担の対象になる一般病床200床以上の重点基幹病院では、患者ごとに定額負担の徴収・非徴収の判断をする必要が生じるため、「現場の医師が個々の患者の適用を判断するのは難しい」、「患者が混乱する」など、否定的な意見の構成員が多かった。