7月29日に開かれた、「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」は、2021年度の病床機能報告の実施について、厚生労働省が提示した見直し案を了承した。稼働病床数の取扱いを見直すほか、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた病床の使用状況についての報告を求める。
現行の病床機能報告の「稼働病床数」の定義は、一般的な診療実績指標である「病床利用率」とは大きく異なり、むしろ「許可病床数」に近い。このため、年間を通じた病床の機能別の利用状況や、その変動をより正確に把握できる指標への見直しを求める声が上がっていた。
そこで21年度報告からは、名称を「最大使用病床数」に変更。定義は変更せず、これまで通り「過去1年間(前年4月~報告年の3月)に最も多く入院患者を収容した時点での病棟別の病床数」を求めるが、これに加え、「最小使用病床数」として、新たに「過去1年間に最も少なく入院患者を収容した時点で使用した病棟別の病床数」の報告を求める。
さらに、病棟単位の最大・最小使用病床数だけでは、該当日が一致せず、報告病床数を合算しても実際の総病床数との間に差異が生じる可能性があることから、病院全体の「最大使用病床数」と「最小使用病床数」の報告も求めることとする(ただし、初年度は病棟単位、病院全体とも「最小使用病床数」の報告は任意)。
地域医療構想調整会議における病床機能の分化・連携の議論で、新型コロナ対応以外の一般の医療に使用されている病床の数を正確に把握するための対応も決めた。具体的には、一般的な公表は行わないことを前提に、医療機関に対して、各病棟の使用状況を①コロナ患者対応、②コロナ患者対応のための休棟・休床、③コロナ回復後患者の受入、④それ以外―の4つの選択肢から選んで報告することを求める。複数選択を可能とし、①、②を選択した場合は、それぞれに対応した病床数の報告も求める。
また、各病棟の許可病床数については、コロナ対応のために臨時的に増床した病床は含めないこととし、別途報告を求める扱いとする。