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経口摂取不能からの脱却:「完全側臥位法」の発見[プラタナス]

No.5081 (2021年09月11日発行) P.3

福村直毅 (健和会総合リハビリテーションセンターセンター長)

登録日: 2021-09-11

最終更新日: 2021-09-09

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  • 脳神経外科でスタートした私は嚥下障害治療に苦慮しリハビリテーション科医に転向した。嚥下障害は誤嚥と経口摂取量低下をもたらすが、治療には誤嚥しない摂取と十分な栄養が必要という矛盾がある。この矛盾を解消するには安全に十分量経口摂取できる代償的摂取方法が期待されていた。私は嚥下障害代償方法を追求し2006年2月に「完全側臥位法」を発見した。

    そのわずか1カ月後、東京の病院の言語聴覚士(ST)から重度嚥下障害患者の相談が持ち込まれた。27歳、男性。右錐体骨腫瘍の摘出に伴って右下位脳神経を切除、重度嚥下障害で気管切開状態となった。術後半年たっても経口摂取物が気管切開孔から噴出するなどあり、絶食で入院を継続していた。担当STは2つの大学の嚥下障害学科に相談したが経口栄養不能と判断され、そのことを本人に説明したが胃瘻などの代替栄養法の拒絶が強く解決策を探していた。

    完全側臥位法の適応が予測されたため翌週に診療支援し、嚥下内視鏡検査で治療可能と判断できる所見を得た。そこで主治医、STに完全側臥位法の原理と実施方法を伝達し導入していただいた。誤嚥兆候なく経口摂取を開始でき1カ月後に山形まで転院してこられた。

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